㉖ ソシエ・デ・エステ銀座ワールド入社

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6か月の授業が終わり、10名程いた生徒の中で私を含めて3名が就職した。
「インターナショナル・ビューティ・アカデミー」は「ソシエ・デ・エステ銀座ワールド」の系列の学校だったのだ。3名は青山店に配属になった。大した仕事はさせてもらえず楽だったがウチから遠くて嫌だった。ところが突然、台湾のそごうデパートにソシエがオープンし、ネイルアーティストも必要という事で私が選ばれて行く事になった。1年間の予定だ。エステティックサロンとヘアーサロンの2店舗オープンだ。オープン1週間前に決まった。東京都青少年洋上セミナーに行ったからパスポートを持っていたが持っていなかったらオープンには間に合わなかった。オープンは11月11日11時11分。3日前に台湾に着いた。着いた当日ホームシックになった。日本人スタッフは店長、ボディ担当の副店長、ボディの同僚と私の4人あとは全員(10名くらい)台湾人だった。中国語はニィハオしか知らない。住まいはそごうから歩いて10分位の便利な場所でオートマのマンションだった。部屋に入るまで、門の鍵、エレベーターホールに入る鍵、玄関の鍵、鍵が3つ必要だった。24時間保安のドアマンが居た。日本で言うと表参道のような場所だと思う。
部屋は3部屋あり、店長はバスルームが付いている部屋、副店長はバスルームが付いていない部屋、私と同僚は二人部屋になった。家賃は会社持ち、水道、電気は折半。電話代は自分がかけた分だけ自腹で決まった。

着いて早々、トラブルが起こった。前もってオープンのチラシを入れておいたのが電話番号をお店ではなくマンションの電話番号にしてしまったのだ。ガンガン電話が掛かってきた。しかし、私達では正しい電話番号の数字を言うだけだ。感の良い人は間違ったんだなと気づいてくれた。そして、現地スタッフとの施術のおさらいが行われた。

オープン前日、私は制服の靴がなかった。「買いに行かなくては!」と焦り、同僚とお店を巡った。とりあえず履けそうなのを見つけて購入した。その時、日本から社長、副社長や、日本、台湾のお偉方、台湾のスタッフが集まって食事会をする事になっていた。その時間に遅刻してしまった!10分位だ。当時は携帯電話なんてない。申し訳なくて、恥ずかしくてしかたなかったが、制服をちゃんと揃えてくれないのは会社じゃん。とも思った。・・・が、店長をはじめ、社長の愛人の副社長に怒られた。

話は戻って、日本で台湾に行く事になった事を副担任に報告した。先生は驚いていた。二人で車で近くのファミリーレストランへ行った。先生はご飯をごちそうしてくれたが、食欲がなくて、あまり食べられなかった。台湾へ行くまでの1週間で体重が5キロ減って45.0キロになった。先生に「待ってるから」と言って欲しかった。・・・が何の言葉も無かった。

11月11日11時11分そごう台湾台北店がオープンした。私達のサロンは最上階の14階だった。上の階には社食もあった。13階はレストランフロアーだった。オープン当日、私はヘアーサロンで働くと聞いていたのでヘアーサロンのお店の奥のカウンターにネイルの道具を並べてセットしておいた。そして、パンフレットを持ち、店頭で「歓迎光臨」(ファンインクゥアンリン)(いらっしゃいませ)と言いながら配った。私が台湾に着て初めて覚えた中国語は「歓迎光臨」だ。途中、見に行ったらお客様で混雑していたらしく並べた道具がグチャグチャにされていた。悲しかった。・・・がまだ来たばかり、このくらいでへこたれてはだめだ。どうしようか迷った。今迄は自分一人で悩んでいたが今誰かに相談しようと決めた。私は店長に相談してエステティックで使うワゴン1台を提供してもらった。そこに道具一式を乗せてサロンを行き来した。ヘアーサロン、フェイシャルをしている人達に同時に施術をした。もちろんネイルだけのお客様もいた。ピアニストで腕が疲れてマッサージをすると眠ってしまうお客さまだった。

つづく。

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