高校を卒業後の進路をどうするか考えた。ある先生は法政大学の定時制に行ったらどうか?と進めてくれた。「大学進学」とても憧れた。しかし、もう「勉強」には疲れてしまったし、大学に行って何を学びたいのか分からなかった。私は手に職をつけたかった。将来何かあった時のためだ。中学生の時美術系の高校に行きたかった。何か美術に関係する仕事はないか?自分で考えた。母親なんて「将来何になりたいの?」なんて聞いてこない。本屋へ行って専門学校の本を買って調べた。そこで「ネイルアーティスト」という職業を知った。決めた!!ネイルアーティストになる!あとはどの学校へ行くか・・・。理由は忘れてしまったが池袋にある「インターナショナル・ビューティ・アカデミー、ネールアート科」を受験した。筆記試験と面接だ。筆記試験はあまりできなかったと思う。が私は成績が良かった(体育4以外はオール5だった)ので面接の印象は良かったかもしれない。無事に合格できた。授業料は叔母が出してくれたのだと思う。
授業当日、私はフレンチネイルをして席は一番前に座っていた。講師はアメリカのエスティーローダーでネイリストをしていた50代の女性だった。
週4日4時間授業で期間は6か月だ。実技はもちろん、爪や皮膚の構造なども勉強した。勉強に使うネイル道具は結構かさばって重かった。他の生徒は教室に置いていたが、私は毎日持って帰り母親で練習した。努力、実力、目立つ事、これが良い方に向かうと確信していた。
この期間はアルバイトもせず、楽しい時間だった。
卒業した高校へ行き、放課後テニスをした。
副担任の先生が私が車の免許を取りたてで練習したいと言ったら、先生は自分の車を出してくれて運転の練習に付き合ってくれた。実は、私はこの先生に恋をしていた。高校2年生の時、向島商業高等学校に先生が赴任してからずーっと、好きだった。だから学校に行くのが楽しかった。学校が楽しかったのはそれだけが理由ではないが毎日、職員室に行くのが楽しかった。だから、車の中で二人きりになってものすごく幸せだった。
先生は個人的な話は何一つしなかった。卒業しても生徒のままだった。
つづく。
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