高校4年生の冬。20歳の成人式があった。振袖は姉が自分で購入した振袖を借りて着た。まず美容院へ行ってから着付けをしてもらいに行き、終わったころにはもう成人式が始まった時間になっていた。遅刻だ。私は式典に出席するのは諦めた。タクシーでエルナードまで行き、勤務先、近い店舗に顔を出した。写真を撮ったりしてとても喜んでくれた。社長がくれたパールのピアスももちろん着けて行った。
同級生に会うことも無くただ私の成人式は振袖を着ただけだった。
そして春、無事に卒業式を迎えた。
入学時には30名以上居た生徒が卒業時には12名になっていた。「辞めちゃえばよいのに」と思った生徒は皆辞めて行った。生徒会長だった私は答辞の準備をしていた。先生がビデオを回してくれていた。練習にも参加し本番が行われた。何事もなく無事に済んだ。晴れて卒業した。
当日はレンタルの矢絣の袴を母親に着付けてもらって参列したが、クラスメイトの一人も同じ袴で彼女はキチンと着付けされていて私は登壇するのにズレズレの着付けで恥ずかしかった。
この上なく充実した4年間の高校生活が終わった。もう一度、高校生活を送れると言われても、これ以上最高の高校生活は送れないだろう。
つづく。
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