６４　クレプトマニア

クレプトマニアとは「窃盗症」と言って、「（主に）万引きを止めたくても、意思の力では止められない依存症という精神疾患」です。

私は２０代の初めからそうだった。初めての時を覚えている。実姉の家に泊まりに行ってショッピングモールへ買い物に出かけ私一人で行動していた時だ。ネックレスを万引きした。
誰かに見られていないか？ハラハラがたまらなかった。

それ以降こと或るごとに万引きをした。監視カメラがあろうと関係なかった。
万引きした後はその品物に執着は無くなった。万引きする事に興奮したのだ。病気だとは思わずにただ手癖が悪いのだと思っていた。

ある日銀座９で靴を万引きしようとした。店員に見つかって交番に店員と警備員に交番に連れていかれた。
私はホッとした。やっと捕まったと思った。店員はとても怒っていた。当たり前だ。私だってその立場だったら怒る。交番の刑事に「銀座に来るな！」と言われた。それとこれは関係ないと思った。ただ、私は障害者手帳を交番の刑事に見せたらお咎め無しで解放された。もしかしたら拘置所行だっただろう。

私はあれ以降万引きはしなくなった。一度もだ。これも、ダイエット、禁煙、に続き意思の強さだと思っている。

つづく。