小学校5年生なった2月の朝、学校へ行く準備をしていたら初潮があった。学校で説明会があったのですぐ「生理が来た」のだと分かった。身長も148cmあった。母親に「生理が来た」と言ったら「学校休む?」と言ってくれた。具合が悪いわけではなかったが、生理中どうして過ごせば良いのか分からなかったので、その日は休むと言って休ませてもらった。母親は私に千円札を握らせて「ナプキンを買って来なさい」と言ってパートタイムで出かけた。ナプキンなんて買った事がない。姉は私の事などどこふくかぜ。無視だ。その当時はコンビニなんてなく母親の帰りを待っていたら薬局が閉まってしまってナプキンは買えない。しかたなく近所の薬局へ行った。マニキュアを取るコットンとナプキンの区別がつかなかった。店員さんに恥ずかしくて声がなかなかかけられなくて薬局の中をウロウロしていた。思い切って店員さんに聞いてやっと購入できた。
クラスで生理が始まった子は私も含め3・4人くらいだった。私は休み時間、カバンからナプキンをサッとスカートのポケットに入れてトイレへ行った。それを男子に見られるのが嫌で、ある時からズボンをはいた時靴下の中にナプキンを左右2個ずつ入れて学校へ行った。カバンからナプキンを取り出さなくても良い、いつもの通り。しかし、縄跳びなどの遊びをしているとナプキンがずれ落ちて、友人に不可解な目で見られた記憶がある。
そもそも、ナプキンを「ポーチ」に入れて持ち歩くと言う発想が無かった。母親も姉も教えてくれなかった。私も聞く事をしないで生活していた。「ポーチ」と言う物を知ってからはナプキンをポーチに入れて学校に行くようになった。
小学生5年生の時、学芸会があった。ウチのクラスは演劇の「若草物語」をやる事になった。役名をどんどん決めて行く。立候補する者はなかなかいなくて、クラスの人気グループの子を推薦して行って決まっていった。四姉妹の長女役メグに推薦されて決まりそうになった、その瞬間、私は「立候補します!」と手を挙げた。人気グループでけでやるのが納得いかなかったのだ。実際、私も参加したかった。推薦より立候補が有利だがこの場合、同時なので多数決の投票になった。・・・結果、私がメグ役をつかんだ!
その日の放課後、掃除当番で掃き掃除をしていたら、女子が私に向けてごみをほうきで向けて掃いてきた。あきらかに嫌がらせだった。こんなことでめげなかった。学芸会当日、観客席からは「おい!きこえねーぞ!」「声がちっせーぞ!」とヤジが飛んだ。そりゃそうだ、やりたくてやってる人達ではない、人気グループの人達だから。私の番、腹から大きな声を出して演じた。観客はシーンと静まり返った。ざまぁみろ!と観客席のおっさんにもクラスメイトにも思った。
ある朝、いつもの様に登校したら、親友のアイコが返事をしてくれなかった。あれ?おかしいな?もう一回挨拶してみた。無視された。「ねえねえ、アイコ、なんで何も言ってくれないの?私、なにか悪い事言った?」と聞いたら、違うクラスメイトの一人が「えぇ~それ本人に聞いちゃうぅ~?」って言った。それ以降、クラスの女子全員が私の事を無視し始めた。休み時間に耐えられなくて教室を出て廊下に居た。そうしたら、3.4年の時に同じクラスだった、らたたが「どうしたの?」と声を掛けてくれた。私は「仲間外れにされていて、誰も話してくれないの」と言うと「じゃ、ウチのクラスに遊びに来ればいいじゃん!」って言ってくれた。嬉しかった。給食の時間、いつもは机を並べて食べるのだが、私一人だけ正面を向いて食べていた。それに気が付いた男子が「あれ?凜どうしたの?」と驚いていた。私は泣きそうで声が出せなかった。泣きたくなかった。
翌日、母親に「学校に行きたくない」と言ったら「いじめられているの?」とすぐ言われた。母親は父親が居ない事でいじめられているのではないかと思っていたのだ。理由はどうあれいじめられている。学校に連絡し、休んだ。その翌日登校すると、教頭先生が課外授業をしてくれた。詳しい内容は忘れてしまったが、「いじめは良くないよ」という事だ。その授業が終わってすぐ、「関係ないのに無視してごめんね」と謝って来てくれた子達もいた。が、肝心の主犯格は謝りに来なかった。私は「友人は自分で選ぶ!」怒鳴って席に座った。主犯格が謝りに来なかったのが納得いかなかったのだ。
つづく。
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