生理痛が酷かった。・・・が他人と具体的に比べる事が出来ないから皆、生理痛はあると思っていた。毎回28日周期でちゃんと生理がくる。あまりにも痛くて近所の婦人科に行った。そうしたら「卵巣が張れているな、産み時かな?」とおじいちゃん先生は言った。そんな事なの?と思ってウチに帰って来た。次の生理の時痛くてたまらなくて母親に救急車を呼んでもらった。救急隊員が「どうしました?」と聞くから「先日生理痛が酷くて婦人科に行きました」と言うと婦人科の病院へ搬送してくれた。検査の結果、緊急手術になった。約4時間の手術だった。麻酔が切れたらせん妄が酷かった。発熱し暑くてたまらなかったが翌日には落ち着いてきた。まだ立ち上がれなかったので尿管に管を入れて尿を排泄していた。術後3日目位だっただろうか、診察室で先生に結果を聞いた。「子宮内膜症で左の卵巣が普通は親指の爪程度の大きさなのがこぶし大にまで腫れていて卵管に癒着していたので、左の卵巣は切除しました。妊娠しにくくなります。」と告げられた。ショックだった。私は子供が大好きだった。この頃はまだ行き来していた姉の子供を可愛がっていたし、再婚して子供も欲しかった。・・・が「出来にくい」というだけで完全に出来なくなったわけではない。と自分に言い聞かせた。
2週間入院した。部屋は個室だった。おそらく叔母が出してくれたのだろう。母親は何も言わなかったので私も叔母には何も言わなかった。入院中テレビを見ているか部屋の前にあるベンチに灰皿があったのでタバコばかりを吸っていた。もちろん出産で入院している人も居た。よく「いつ産んだの?」と聞かれた。「私は病気入院なんです。」と言うと「何歳?」と聞かれた「27歳です」「私は29歳、まだまだ大丈夫だよ~」と二人の人に全く同じ事を言われた。出産した人は余裕だ。まだまだ大丈夫なんて何の根拠もない。
退院の時タクシーで帰って来た。運転手さんが「退院した人を乗せるのは縁起が良いな~」と言われ「かなり悪かったんですよ~」と返すと「そんなに何を悪い事したんですか~?」と言ってきた。もちろん冗談だ。「ねぇ~?」と返したが、母親はムスッとしていた。
術後の治療が始まった。ホルモン療法で点鼻薬を1日2回決まった時間にさして生理を止める。(更年期の状態にする)それを半年間するのだ。根気がいる治療だった。外出していても時計にアラームをかけて時間になるとトイレに行き薬をさした。治療が終わって生理が始まった。生理痛が全くなかった!
普通の人はこんなに楽なのか!?と驚いてしまった。
精神科の先生に今回の入院を報告した。そうしたら「うつになったのは、そのせいじゃなぁ~い?」と軽く他人事の様に言われた。私は頭に来た。きちんと検査、治療もせずに軽々にそんな事言うな!と思った。
そんなわけで私のお腹には帝王切開並みの傷跡がある。
つづく。
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