家庭裁判所から「呼出状」が届いた。出廷しなければ罰金だ。離婚に応じているのになぜ呼び出されたのか訳が分からなかった。・・・がとりあえず行った。
確か、8月31日、私は母親と行った。まず正行さんが調停員に話をしていた。交互で話をするのだ。本人とは話さない。私の番になった。私は「離婚のも応じるのになぜ呼び出されたのか分かりません」と言った。「慰謝料の額だそうです。それから、家から勝手に持ち出したものをリストアップしてきました。」黙って向こうが買った物なんて持って来ていない。それを言おうとしたら調停員に話をさえぎられてしまった「そんなの良いじゃないですかって言ったんですよ」だと。「職には就いていますか?」「はい、ネットワークビジネスをしています。」そう言うと、私達は結婚してまだ1年もたっていない事もあるので、私が正行さんが出て行ってから立て替えた家賃代、引っ越し代で終わりにしましょうとの事だった。調停を長引かせるつもりはなかった。それで納得した。向こうも納得したらしい。裁判官が来て文書を読み上げた。これで正式に離婚になった。離婚届に記入しなくて良いのだ。
家庭裁判所を出て、母親と銀座千疋屋フルーツパーラーでパフェを食べた。暑い一日だった。
デパートで写真立てなどを買ってウチに帰った。
翌日は小学校の同窓会だった。
晴れやかに、そしてヤケクソに弾けて参加した。同窓会は盛り上がった。1次会、2次会、そしてカラオケ。私は会場が変わる度にウチに電話をした。なのに「早く帰って来なさい」とうるさかった。会場は近所だし、知っている仲間だし、タクシーだって通っているのに・・・。私はカラオケを最後にタクシーで帰った。皆はもう一軒行ったらしい。
離婚して、落ち着いてからエルナードへ行った。二人が出会ったお店の前を通ったらなんと正行さんがカウンターにいた。働いているのだ。結婚していた時の仕事を辞めて元に戻ったわけだ。「お茶でも飲まない?」と言われた。別に嫌でもなかったのでお茶をした。開口一番「太った?」だと、失礼な奴だ。「あの時は荒れたよ・・・。色んな女と寝たよ」知るかっ!「これからどうするの?」と聞いたら「今、付き合っている彼女がいるんだよね」私「良かったじゃん」相手「でも若いんだよね・・・」自慢かよ。じゃねと言って別れた。それから一度も会っていない。再婚したのかどうか?どこに住んでいるのかさえも知らない。どうでも良い。
この時25歳。
思い立って芸能プロダクションのオーディションを受けた。お芝居のオーディションだった。皆、下手くそ過ぎて私の番になったとたんに視線を感じた。自己アピールは「25歳というのはこの世界では遅すぎると思いますがそれだけ色んな経験をしたと言う事です。よろしくお願いいたします。」と述べた。合格者には連絡が来るとの事だった。
しばらくして母親が「〇〇事務所の社長さんから電話があった」と言った。「なんて言っていた?社長の電話番号は?」と聞いても何も教えてくれなかった。又だ。子供の頃から変わらない。何度も聞いてもなーーーーんにも答えなかった。何故黙っているのかも言わなかった。私が事務所の電話番号を忘れてしまっていた。「104」で調べれば良かったがそこまで頭が回らなかった。母親への怒りでいっぱいだった。
つづく。
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