⑫ 東京都青少年洋上セミナー ① 

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2年生になった時、ホームルームで担任の先生が「日中友好として東京都内の高校生が中国に2週間訪中する東京都洋上セミナーがある。興味のある者は職員室まで来なさい」と言った。
私は「ただで中国に行かれる!!」と思った。ちょっと迷ったがやはり行きたい。教員室へ行った。同じクラスの子とすれ違った。私は先生に「参加したい」と申し出た。「学校推薦」と「地域推薦」があるらしい。それぞれ一名づづしか推薦できないとの事。「分かったから話が進んだら話す。」と言われた。

数日たって、担任に呼ばれ「向島高校からは凜を推薦する事になった」と言われた。この前職員室ですれ違った子も申し出たんだと思った・・・。嬉しかったし、ごめんね。とも思ったが、欠席が多かったら無理だよとも思った。
それからしばらくして、先生が廊下で「凜!!洋上セミナーに参加が決まったぞ!」と大声で言った。私は、推薦が決まった瞬間で行かれるものだと思っていたので、それから抽選があったとは知らず、くじ運が良くて良かったとつくづく思った。
高校2年生初めての海外旅行が決まった!(しかもただ!)
東京都青少年洋上セミナーは東京都内の高校生男子200名女子200名計400名が大型船「日本丸」乗り晴海ふ頭から4日間かけて中国へ向かい、3日間中国本土のホテルに宿泊、3日間中国に停泊している日本丸に宿泊、帰りも又4日間かけて帰って来るスケジュールだ。

実際に訪中するのは夏休みに入ってからだが、事前講習として前回のオリンピック村に土曜日から日曜日にかけて1泊して色々と準備をしていく。それが3度ほど有った。土曜日の夕方、全日制の生徒は空いているが、私は授業中だ。東京都側が公休扱いにしてくれて私は事前講習に通った。クラスメイトの少し冷たい目線も感じた。

班分けが行われた。というかされていた。住んでいる地域から順番だ。下町(東側)の私は1組(女子1班)(男子は2班)男女で一組だ。。。。そうすると、女子の3班は2組で男子の2組は4班だ。「組」を聞いても「班」を聞いてもどちらかが分かる。とても合理的な組作りだった。
集会で班長を決めることになった。私は参加するのならば何かしらに関わったほうが楽しいと思っていた。班長に立候補しようとした時、違う女子が僅差で立候補してしまった。・・・しかたない、諦めよう。・・・ところが!その子がなんと副団長に立候補して班長の座が空いた!!私はすかさず立候補して受理された!!

点呼の方法を決めなければいけなかった。他の班は班長が各自一人で数えているようだった。私は各々が参加しているという意識を持って欲しくて私が「1!」と大声で言ったら並んでいる順に2.3.4・・・と順に言って行き、最後尾には副班長が並んでいて副班長が大きく腕を丸のポーズをする。その確認が取れたら全員居るという方法をとった。

海外旅行、皆高校生。パスポートを持っている生徒は殆ど居なかった。選手村に「パスポートセンター」の職員の方々が来て書類を書いて、写真を撮って、1週間後にはピッカピカのパスポートが出来ていた。

初めての宿泊の時、同部屋になった子が私に「私みどりって言うの、よろしくね!みどりって呼んで」と言ってきた。驚いたが、直ぐに仲良くなった。明るくて大好きだ。成人しても良く合っていたし、お互いの家に泊まりに行ったりしたし、今でもやり取りをしている。かけがえのない人と出会えた。

つづく。

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